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【現地レポート】流れに棹(さお)させ、シックスマン!(女子準決勝)

 勝利の立役者はもちろんチームの中心選手、#0馬瓜エブリンであり、#2長岡萌映子であり、#12三好南穂だ。その彼女たちの攻撃を司ったのは#15安間志織である。しかしそんな先輩たちの背中を追いながらも、トヨタ自動車アンテロープスのルーキー#23山本麻衣は流れに掉 (さお) さすプレーで勝利に貢献した。

 皇后杯2019の女子準決勝、前回大会準優勝のデンソーアイリスと対戦したトヨタ自動車は、序盤から#0馬瓜、#2長岡の女子日本代表コンビが得点を重ねて、リズムをつかんでいく。デンソーはエースの#8髙田真希にボールを集めようとするが、チームでそこを封じようとするトヨタ自動車の厚い守りを崩しきれない。結果的に言えば、最後までそれが尾を引きデンソーは敗れてしまうのだが、第1クォーターは#13伊集南のブザービーターで何とか3点ビハインドに留まっていた。

 しかし第2クォーターの立ち上がり、第1クォーターの終盤からコートに立っていた#23山本が3ポイントシュートを沈めると、そこから#33馬瓜ステファニー、#15安間の連続得点へとつながっていく。

 山本はさらに、デンソーがゾーンディフェンスに切り替えた直後に3ポイントシュートの体勢からファウルを受け、2本のフリースローを決めている。
「途中から出るときはディフェンスを意識しています。オフェンスはシュートが入ればラッキーくらいに考えていて、今日も思い切って打って、それが入ったのでラッキー、くらいです」
 本人はそう笑うが、この日の山本は5分36秒の出場時間で、5得点をあげている。それがチームの流れを生み出したのは間違いない。

 桜花学園高校に在学中は、1年次、2年次と皇后杯に出場しているが、1年次からスターターのポイントガードとして活躍していたため、いわゆる“シックスマン”として皇后杯の舞台に立つのは初めてだ。

「皇后杯は一発勝負だからミスをしたら、それがチームの流れをガラリと変えてしまうと思うんです。でもそれを考えすぎないようにして、思い切ってやろうとしています。昨日は試合に出られなかったけれど、常にやってやるという気持ちを持っていたので、今日はそれが出せてよかったです」

 明日の決勝戦は、その時点でまだどこが相手かわからない。結果的にはJX-ENEOSサンフラワーズになったが、それでも山本のやるべきことは変わらないと言う。
「ベンチで見ていて声をかけられるところはどんどん言っていくし、試合に出たときはディフェンスをしっかりやって、オフェンスでも点数に絡めたらいいなと思っています」

 シックスマンはバスケットボールにおいて重要な要素である。それを経験することは山本の今後にとっても貴重な意味を持つはずだ。山本だけではないが、彼女をはじめとしたシックスマンがその役割を十分に果たせば、トヨタ自動車の6年ぶりとなる優勝が、また一歩近づいてくる。

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