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【現地レポート】7年ぶり6度目の天皇杯へ (男子準決勝)

 大学卒業以来、所属した3つのチームですべて天皇杯の決勝戦まで勝ち上がったことのある竹内公輔にとって、4つ目のチーム、栃木ブレックスに入団してからの2年間は、そこへ到達できないという意味で苦しい“年明け”だった。しかし、ついにそのときは訪れた。

 天皇杯2019の男子準決勝、栃木は京都ハンナリーズを71-62で破り、チームとしては3年ぶりの、竹内自身としては第90回大会以来、4年ぶりの決勝進出を決めたのである。
「苦しかったし、一発勝負なので負けられないというプレッシャーもあって、なかなか難しいゲームになりましたけど、今はとりあえずホッとしています。勝負所でターンオーバーから、ウチらしくアーリーオフェンスで得点できたことが勝因だと思います」
 竹内は試合をそう振り返る。

 竹内自身に目を向ければ、今日は4得点・5リバウンド。京都・洛南高校で頭角を現し、慶應義塾大学在籍時には日本代表に選出されて、2006年の世界選手権(現ワールドカップ)を戦った。その後に在籍したアイシン(現シーホース三河)、トヨタ自動車(現アルバルク東京)、そして広島ドラゴンフライズで中心選手として活躍した彼を見知っているファンからすれば、その数字は少し物足りなく映ってしまうかもしれない。しかも今の彼はベンチスタートの、いわゆる控え選手である。そう聞けばなおさら「206センチのビッグマンがなぜベンチスタートなのか?」と疑問に思うかもしれない。

 しかし当の本人はそれを意に介しない。いや、むしろ今は「スターターとベンチスタート、どちらがいい?」と聞かれれば、自ら進んで「ベンチスタートでいいです」と答えるのだと言う。
「スターターはスターターの良さがあるし、控えは控えの良さがあります。スターターだったら試合前のウォーミングアップをしたままで試合に入れるけど、一方で控えだったら状況を見ながら『こういうプレーが必要かな』と考えながらコートに入れます。昨シーズンの後半戦あたりから控えに回ったんですけど、今はそういう控えのおもしろさを感じていますし、体もそっちのほうに慣れてきたかな」

 役割としても得点、リバウンド、ディフェンス、ブロックショット……と多岐にわたるのではなく、「2得点・10リバウンドが最低目標」と言うように、リバウンドでの貢献に力を注いでいる。
「もちろん得点も多く取れるに越したことはないですけど、得点で存在感を出すより、リバウンドで存在感を出せたらチームの助けになると思うんです。そのほうがこのチームの力になれることはわかっているので」
 206センチの自負である。

 決勝戦の相手は大会連覇中の千葉ジェッツに決まった。
「広島で決勝まで勝ち進んだことはありますけど、あのときとは状況が違うと思います。栃木に入団して3年目。やっとこのチャンスが巡ってきたので、しっかり天皇杯を手にして帰りたいと思います」

 大学卒業後に5年連続で掲げながら、その後の6年遠ざかっている天皇杯を再び手にするために――竹内公輔は明日の決勝戦でも、まずはベンチから自分のすべきことを見極めながら、ヘッドコーチの呼びかけを待つつもりだ。

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